日本集中治療医学会雑誌
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症例報告
右大腿静脈より緊急挿入した膜型人工肺脱血用静脈カテーテルが上行腰静脈に挿入された2症例
原山 信也伊佐 泰樹荒井 秀明長田 圭司新庄 貴文二瓶 俊一相原 啓二蒲地 正幸
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2012 年 19 巻 3 号 p. 367-370

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抄録
経皮的心肺補助装置(percutaneous cardiopulmonary support, PCPS)及び膜型人工肺(extracorporeal membrane oxygenation, ECMO)脱血用カテーテルが右上行腰静脈に挿入された2症例を報告する。1例目は30歳代,男性。院外心肺停止症例。治療抵抗性の心室細動のためPCPSを緊急導入した。2例目は50歳代,女性。院内心肺停止症例。心拍再開後も低酸素血症が持続するためECMOを緊急導入した。2症例とも脱血用カテーテルを右大腿静脈から挿入し,X線正面像で下大静脈内と思われたが,CTで右上行腰静脈への挿入が確認された。上行腰静脈にカテーテルが挿入されても,X線正面像では下大静脈との区別が困難なことがあり,注意を要する。ストレート,アングルタイプのガイドワイヤでは側枝迷入の危険性が高く,Jタイプの使用が推奨される。
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© 2012 日本集中治療医学会
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