日本集中治療医学会雑誌
Online ISSN : 1882-966X
Print ISSN : 1340-7988
ISSN-L : 1340-7988
19 巻, 3 号
選択された号の論文の36件中1~36を表示しています
今号のハイライト
総説
  • —新たなるシステム確立に向けて—
    小畑 仁司, 杉江 亮
    2012 年 19 巻 3 号 p. 325-330
    発行日: 2012/07/01
    公開日: 2013/01/16
    ジャーナル フリー
    近年,米国を中心に発展しつつあるneurocritical careは,生命の危機に瀕する重篤神経傷病を主たる対象とし,多領域にわたる専門職の協力のもと,集学的にこれら患者の治療を行うものである。2003年にNeurocritical Care Societyが設立され,2004年に機関誌創刊,2007年から専門医制度が実施され,現在,全米102施設にneuro-ICUが設置されている。診療の中核を担うのは,臨床神経学と集中治療医学の知識・手技を修得したneurointensivistであり,修得すべき技能は,各種脳モニタリングに加え,脳虚血に対する再灌流療法や低体温療法などの治療を含む。Neuro-ICUはstroke care unitより遙かに広範な疾患群を対象とし,脳卒中様症状を呈する非脳卒中にも対応可能である。患者転帰改善や入院日数短縮に有用性が示され,わが国での発展が望まれる。
  • —Stewart approachによる解析—
    中 敏夫
    2012 年 19 巻 3 号 p. 331-339
    発行日: 2012/07/01
    公開日: 2013/01/16
    ジャーナル フリー
    急性腎傷害での酸塩基平衡異常の成因と持続血液浄化法(continuous renal replacement therapy, CRRT)による是正機序をStewart approachにより解析した。急性腎傷害では代謝性アシドーシスによる酸血症をきたしていた。その成因としては,strong ion difference apparentの減少,リン酸の上昇,strong ion gap(SIG)の増加が挙げられたが,低アルブミン血症により緩衝されていた。一方,CRRTによりSIG,リン酸,Clが減少しアシドーシスは是正された。また,乳酸緩衝液によるCRRTでは乳酸負荷による乳酸の増加が見られたが,重炭酸緩衝液によるCRRTでは乳酸排泄がアシドーシス是正に寄与する可能性がある。乳酸緩衝液によるhigh volume hemofiltrationでは,乳酸が一時的に増加するため注意が必要である。
  • 大塚 将秀
    2012 年 19 巻 3 号 p. 340-345
    発行日: 2012/07/01
    公開日: 2013/01/16
    ジャーナル フリー
    成人の急性呼吸不全患者における気管チューブの抜管基準を概説した。抜管の成否を予測するには,酸素化能力,換気能力,気道の確保などについて検討しなくてはならない。換気能力については,複数のパラメータを組み合わせたものの判別能力が高いとされている。抜管後の気道開存性の予測は難しく,実際に誤嚥,気道閉塞,痰の喀出不全が再挿管理由の多くを占めている。多くの抜管基準が提案されているが,いずれの基準を用いても抜管の成功を完全に予測することは不可能なので,常に再挿管に備えて望まなくてはならない。
原著
  • 浜田 暁, 江木 盛時, 吉鷹 志保, 戸田 雄一郎, 森田 潔
    2012 年 19 巻 3 号 p. 347-352
    発行日: 2012/07/01
    公開日: 2013/01/16
    ジャーナル フリー
    【目的】食道癌術後患者を対象に経腸栄養のプロトコルを作成し,その効果を検討した。【方法】プロトコル導入前群(経腸栄養開始日:未定,投与量増加の判断:1日1回,投与増加量:未定)24名とプロトコル導入後群(経腸栄養開始日:術後2~3日目,投与量増加の判断:1日2回,投与増加量:20 kcal/hr)27名について比較検討した。【結果】プロトコル導入後群では,導入前群と比較して,100%基礎代謝量の経腸栄養が有意に早期に達成でき(P<0.001),高カロリー輸液使用率が有意に減少した(P=0.03)。プロトコル導入によって,下痢発生率(P=0.88),栄養逆流量増加(P=0.48)といった有害事象は増加しなかった。【結論】食道癌術後患者に対し経腸栄養のプロトコルを使用することで,明らかな有害事象をきたすことなく,早期に経腸栄養を増加させることができた。
  • 板垣 大雅, 木倉 睦人, 足立 裕史, 土井 松幸, 佐藤 重仁
    2012 年 19 巻 3 号 p. 353-358
    発行日: 2012/07/01
    公開日: 2013/01/16
    ジャーナル フリー
    【目的】ステントグラフト内挿術(endovascular aneurysm repair, EVAR)後の急性腎傷害(acute kidney injury, AKI)の頻度と特徴を調べ,開腹人工血管置換術(open repair, OR)と比較する。【方法】腹部大動脈瘤の予定手術を対象とし,EVAR群70例とOR群77例についてrisk, injury, failure, loss and end stage kidney disease(RIFLE)criteriaを用いた術後AKIの頻度と特徴,転帰を後方視的に分析した。【結果】EVAR群はOR群より高齢で,手術時間,術後人工呼吸期間,ICU滞在および在院日数が短く,術後AKIは5例(7.1%)に発生し,OR群の10例(13%)と有意差はなく(P=0.28),院内死亡率にも差はなかった。EVAR群はOR群より術前の血清クレアチニン値が高く,術前からの上昇幅が0.5 mg/dl以上の日数が長かった。腎動脈遮断は術後AKIの危険因子で,AKIは術後人工呼吸の危険因子であった。【結論】EVAR後AKIの頻度はOR後と差はないが,その期間は遷延している。
  • 工藤 大介, 篠澤 洋太郎, 山内 聡, 遠藤 智之, 佐藤 武揚, 古川 宗, 野村 亮介, 久志本 成樹
    2012 年 19 巻 3 号 p. 359-366
    発行日: 2012/07/01
    公開日: 2013/01/16
    ジャーナル フリー
    【目的】敗血症に合併する播種性血管内凝固症候群(敗血症性disseminated intravascular coagulation, 敗血症性DIC)に対するトロンボモジュリンアルファ(thrombomodulin-α, TM-α)の治療効果を検討した。【方法】敗血症性DIC患者対象のヒストリカルコホート研究であり,TM-α群(30例):全対象患者にTM-αを投与,non-TM-α群(23例):全対象患者にTM-α投与せず,とした。【結果】両群間で重症度に差はなかった。30日生存率は,TM-α群90.0%(27/30例)に対してnon-TM-α群65.2%(15/23例)であった(P=0.041)。抗DIC薬投与7日目のDIC離脱率は,50.0%(15/30例) vs. 34.8%(8/23例)であった(P=0.268)。High mobility group box 1の変化率は-48.1%(-66.1~97.0) vs. 213%(-6.55~473)であった(P=0.086)。【結論】敗血症性DICに対するTM-αの生存率改善効果が示された。
症例報告
  • 原山 信也, 伊佐 泰樹, 荒井 秀明, 長田 圭司, 新庄 貴文, 二瓶 俊一, 相原 啓二, 蒲地 正幸
    2012 年 19 巻 3 号 p. 367-370
    発行日: 2012/07/01
    公開日: 2013/01/16
    ジャーナル フリー
    経皮的心肺補助装置(percutaneous cardiopulmonary support, PCPS)及び膜型人工肺(extracorporeal membrane oxygenation, ECMO)脱血用カテーテルが右上行腰静脈に挿入された2症例を報告する。1例目は30歳代,男性。院外心肺停止症例。治療抵抗性の心室細動のためPCPSを緊急導入した。2例目は50歳代,女性。院内心肺停止症例。心拍再開後も低酸素血症が持続するためECMOを緊急導入した。2症例とも脱血用カテーテルを右大腿静脈から挿入し,X線正面像で下大静脈内と思われたが,CTで右上行腰静脈への挿入が確認された。上行腰静脈にカテーテルが挿入されても,X線正面像では下大静脈との区別が困難なことがあり,注意を要する。ストレート,アングルタイプのガイドワイヤでは側枝迷入の危険性が高く,Jタイプの使用が推奨される。
  • 青木 和裕, 大沼 隆史, 星山 祐介, 林 督人, 北薗 美保, 清水 博, 大和田 哲郎, 片山 正夫
    2012 年 19 巻 3 号 p. 371-374
    発行日: 2012/07/01
    公開日: 2013/01/16
    ジャーナル フリー
    周産期心筋症(peripartum cardiomyopathy, PPCM)は,心疾患既往がない女性が周産期に突然発症し,母体死亡にもつながる重篤な疾患である。症例は1回経妊0回経産の40歳。妊娠高血圧症候群による帝王切開術が施行され,術後経過順調であった。術後8日目に呼吸困難,SpO2 60%(room air)となり,気管挿管された。胸部X線写真で両側浸潤影,経胸壁心エコーで左室駆出率25%であり,周産期心筋症による急性肺水腫と診断した。カルペリチド,ドブタミン投与後に左室収縮機能が改善し,ICU入室後3日目に抜管し,4日目に退室した。正常妊婦でも息切れなどを訴えることがあるため,PPCMの早期診断を困難にするが,本症例は迅速な集中治療管理がなされ,良好な転帰をもたらすことができた。
  • 渡邊 圭祐, 宮崎 貴志, 片山 哲治, 菊田 浩一, 中村 夏樹, 田中 秀幸, 木村 龍範, 矢埜 正実
    2012 年 19 巻 3 号 p. 375-378
    発行日: 2012/07/01
    公開日: 2013/01/16
    ジャーナル フリー
    症例は62歳,男性。下肢静脈瘤に関連した蜂窩織炎にて過去8回の入院歴があり,今回も蜂窩織炎で入院した。入院後まもなく看護師の目の前で突然意識消失するも短時間で意識が回復し,その後1時間あまりの間に6回の心室細動が出現した。ICUに入室し鎮静薬投与および気管挿管後からは心室細動の出現がなく,第2病日に抜管した。ICU入室時の体温は41℃であり,V1,V2誘導で特徴的なcoved型ST上昇を認めた。その後ST上昇は改善するも,Brugada症候群と診断し,埋め込み型除細動器埋め込み術を行った。平常時の心電図はBrugada型の所見は認めず,過去の発熱時の心電図においても軽度ST上昇が認められたが,Brugada症候群と診断するのは不可能であった。発熱を契機に診断されるBrugada症候群の報告は散見され,発熱患者を診る機会の多い集中治療医も銘記しておくべき病態である。
  • 仲村 佳彦, 中野 実, 町田 浩志, 鈴木 裕之, 蓮池 俊和, 畠山 淳司, 村松 英之, 新井 基展
    2012 年 19 巻 3 号 p. 379-383
    発行日: 2012/07/01
    公開日: 2013/01/16
    ジャーナル フリー
    症例は32歳,男性。水酸化カリウム水溶液の水槽に転落し,当院に搬入となった。肉眼的観察法ではII度熱傷と診断し,熱傷面積は約85%であった。流水洗浄を約2時間15分行い,保存的加療の方針とし集中治療管理を行った。第7病日に敗血症性ショック,acute respiratory distress syndrome(ARDS)を認めた。抗菌薬投与にて一旦は全身状態改善傾向であったが,ARDSが進行し,第14病日に死亡退院となった。剖検を行い,肺の病理にてdiffuse alveolar damageを認め,ARDSと矛盾しない所見であった。ARDSの原因は熱傷および感染症が考えられた。皮膚病理では一部III度熱傷を認め,肉眼的観察法による評価よりも深達度は深く,初診時または保存的加療継続中に深達度評価を誤っていた可能性が考えられた。外科的治療のタイミングを逃していたため,他の深達度評価法も検討すべきであった。
  • 川口 亮一, 住田 臣造, 小林 巌, 南波 仁, 四十物 摩呼, 大塚 尚実, 木村 慶信, 山蔭 道明
    2012 年 19 巻 3 号 p. 384-388
    発行日: 2012/07/01
    公開日: 2013/01/16
    ジャーナル フリー
    症例は31歳,男性。毒素性ショック症候群(toxic shock syndrome, TSS)疑診にて治療抵抗性の低血圧および乏尿を呈し,ポリミキシンB固定化カラムによる直接血液灌流法(polymyxin B immobilized fiber column direct hemoperfusion, PMX-DHP)を施行した。開始から約2時間後,突然のST上昇と胸痛が出現し,心筋マーカーの上昇も確認された。しかし心臓超音波検査では明らかな局所壁運動異常は認められず,冠動脈造影でも有意狭窄は認められなかった。その後,心電図変化は軽減し正常化した。全身状態も改善し,10日後に生存退院となった。ST変化や胸痛の原因機序として,ブドウ球菌の外毒素により産生されるエイコサノイドが引き起こす冠微小循環障害,および敗血症性心機能障害などが考えられた。
  • 君島 知彦, 升田 好樹, 今泉 均, 巽 博臣, 後藤 京子, 黒田 浩光, 吉田 真一郎, 浅井 康文
    2012 年 19 巻 3 号 p. 389-392
    発行日: 2012/07/01
    公開日: 2013/01/16
    ジャーナル フリー
    類天疱瘡の治療中に後腹膜血腫にて発症した後天性血友病の一例を経験した。症例は63歳,男性。類天疱瘡にてステロイド内服治療中に貧血が生じ,後腹膜血腫が明らかとなった。動脈塞栓術を施行したが,その後も貧血が進行し,出血コントロールに難渋した。発症から17日後の血液検査で活性化部分トロンボプラスチン時間(activated partial thromboplastin time, APTT)の単独延長が明らかとなり,第VIII因子活性が1%で抗第VIII因子抗体が検出されたため,後天性血友病と判明した。第VIII因子濃縮製剤の投与に引き続いてステロイドパルス療法を行ったが,出血傾向は改善しなかったため,第VIII因子抗体迂回活性複合体製剤(factor eight inhibitor bypassing activity, FEIBA)を投与したところ,急速に出血症状は改善した。重篤かつ遷延する出血症状を有する本症に対しては,凝固因子抗体迂回活性化療法が有効であると考えられる。
  • 寺西 克仁, 竹内 栄二
    2012 年 19 巻 3 号 p. 393-396
    発行日: 2012/07/01
    公開日: 2013/01/16
    ジャーナル フリー
    心大血管手術後には,ヘパリンの再投与によりヘパリン起因性血小板減少症(heparin-induced thrombocytopenia, HIT)を発症する可能性もあり,注意を要する。造影CTでStanford A型急性大動脈解離と診断された症例に対して,上行大動脈人工血管置換術を施行した。術後の急性腎不全に対してメシル酸ナファモスタットを使用して持続血液透析濾過や血液透析を施行していたが,術後第11日に低分子ヘパリンに変更したところ,数時間後にショック状態となった。術後第40日に測定したHIT抗体は陽性であった。術中の大量ヘパリン投与後にHIT抗体を生じ,ヘパリンの再投与によりショックとなった可能性が高いと考えられた。
  • 安田 治正, 三嶋 正芳, 松田 成人
    2012 年 19 巻 3 号 p. 397-400
    発行日: 2012/07/01
    公開日: 2013/01/16
    ジャーナル フリー
    非細菌性血栓性心内膜炎(non-bacterial thrombotic endocarditis, NBTE)は,悪性腫瘍などの全身消耗性疾患に伴う血液凝固異常により心臓弁尖に血栓形成が生じる病態である。NBTEの治療は基礎疾患に対する治療と抗凝固療法がその本質であり,弁病変自体が治療の対象となることは少ない。今回,NBTEを背景として,弁周囲膿瘍を形成した1例を経験した。心内膜炎に対しては緊急手術を実施し,合併する骨盤腫瘍は二期的に対処する方針とした。術後,一時的に全身状態は安定したが,播種性血管内凝固症候群が進行し,骨盤腫瘍に対して治療介入する機会なく死亡した。NBTEは感染性心内膜炎発症の背景となる病態でもある。自験例のように,炎症が前面に現れた症例においても,NBTEの病態を十分理解することが適切な集学的治療のために肝要である。
  • 白鳥 徹, 畑谷 芳功, 白澤 由加里, 野口 慶子
    2012 年 19 巻 3 号 p. 401-404
    発行日: 2012/07/01
    公開日: 2013/01/16
    ジャーナル フリー
    症例は38歳,男性。右下腿壊死性筋膜炎による敗血症性ショックでICUに入院した。Ampicillin(ABPC)及びclindamycin(CLDM)を投与開始し,第2病日,右下腿切断手術を施行した。下腿の膿からG群レンサ球菌(group G Streptococcus, GGS)が分離され,菌株はABPC,CLDMに感受性を示し,clarithromycin(CAM),levofloxacin(LVFX),minocycline(MINO)に対して抵抗性を示した。2005~2009年に当院で分離されたGGS 99株の薬剤感受性試験において,CAM(30.3%),LVFX(26.3%),MINO(44.4%)に対する耐性株が多く認められ,ペニシリン系やセフェム系抗菌薬に耐性を示す株も少数(7.1%)存在した。GGSによる劇症型感染症に対しマクロライド系,またはニューキノロン系抗菌薬を使用する際には,耐性株の存在も念頭に置く必要がある。
  • 梅井 菜央, 安宅 一晃, 嶋岡 英輝, 木西 悠紀, 菅 健敬, 大塚 康義, 宇城 敦司
    2012 年 19 巻 3 号 p. 405-408
    発行日: 2012/07/01
    公開日: 2013/01/16
    ジャーナル フリー
    発熱を初発症状とする12歳の男児が,血液分布異常性ショック,肝不全,非乏尿性腎不全を呈して来院した。血液検査は,WBC,CRP,プロカルシトニン,サイトカインの上昇を示し,重症感染による敗血症性ショックと診断した。しかし翌日,心機能低下や皮膚粘膜症状に気づき,川崎病と診断した。川崎病は乳幼児期に発症し,年長児以降の発症例はまれである。また,川崎病は免疫系の異常により高サイトカイン血症に至り,敗血症と同様の症状を呈することがある。本例のように,年長児以降に感染を疑う血液分布異常性ショックを呈した場合は,川崎病も考慮する必要がある。
  • 大網 毅彦, 中西 加寿也, 大島 拓, 奥 怜子
    2012 年 19 巻 3 号 p. 409-413
    発行日: 2012/07/01
    公開日: 2013/01/16
    ジャーナル フリー
    溶連菌感染の関与が示唆された中毒性表皮壊死症の1例を報告する。【症例】症例は38歳,男性。入院2日前から全身に皮疹を認め,近医からの投薬を受けていたが,皮疹に加え眼球口唇の発赤が出現し,当院受診となった。皮膚所見と病理所見からStevens-Johnson症候群と診断し,ステロイドパルス療法を開始した。入院3日目に皮疹が全身に拡大したため,中毒性表皮壊死症への進展と考えて,全身管理目的にICU入室となった。血漿交換に加え,免疫グロブリンと皮膚細菌培養で検出した溶連菌に対する抗菌薬投与を開始した。3日間連日の血漿交換により皮疹の拡大は一時的に抑えられたが,再び進行したためさらに3回追加施行し,以後,皮膚所見の順調な改善が得られた。【考察】本症例は薬剤の関与が否定的な中毒性表皮壊死症であり,溶連菌感染の関与が示唆された稀な1例と推察される。
短報
feedback
Top