抄録
肺胞出血を合併したChurg-Strauss syndrome(CSS)の一例を経験した。本症例は,肺胞出血に伴う呼吸不全に,播種性血管内凝固症候群,脳内出血を合併していた。ステロイドパルス療法で一旦改善した肺胞出血が再燃したため,血漿交換療法を行ったところ急速に改善し,救命することができた。ステロイド抵抗性CSSの治療として,免疫抑制薬の使用が推奨されているが,臓器障害を合併する重症CSSの死因はほとんどが感染症の合併によるものである。本症例から,重症CSS治療では,感染症の発症および悪化を招く可能性がある免疫抑制療法以外の治療法として,病態形成に関与する炎症性メディエータ除去の有用性が示唆され,血漿交換療法は有効な治療法となり得ると考えられた。