日本集中治療医学会雑誌
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総説
話題の耐性菌 —MDRP, MDRA, NDM-1産生菌を含めて—
舘田 一博
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2013 年 20 巻 1 号 p. 9-14

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抄録
今日,臨床現場でみられるほとんど全ての病原体において耐性菌が出現している。特に呼吸器科領域では,肺炎球菌,インフルエンザ桿菌,マイコプラズマなどの市中肺炎病原体から,院内肺炎の原因菌としての多剤耐性緑膿菌(multiple-drug resistant Pseudomonas aeruginosa, MDRP)やメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(methicillin-resistant Staphylococcus aureus, MRSA),さらには基質拡張型β-ラクタマーゼやメタロβ-ラクタマーゼ産生菌の増加が大きな問題となっている。そして2010年,多剤耐性アシネトバクター(multiple-drug resistant Acinetobacter baumannii, MDRA)やニューデリー・メタロβ-ラクタマーゼ(New Delhi metallo-β-lactamase-1, NDM-1)産生菌の話題が大きく報道されたのは記憶に新しい。本稿では,多くの耐性菌の中から今最も注目されている耐性菌としてMDRP,MDRA,そして新たに出現したNDM-1産生菌に関する話題をいくつかご紹介したい。
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© 2013 日本集中治療医学会
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