抄録
症例は55歳の男性.Drip infusion cholangiographic computed tomographyで肝門部胆管にcircuit形成を認め,副交通胆管枝(communicating accessory bile duct;CABD)を有する胆嚢結石症と術前に診断した.術中胆道造影を併用し,CABDを温存する形で腹腔鏡下胆嚢摘出術を完遂した.CABDは「重複総肝管」「重複総胆管」「重複胆嚢管」などと報告されてきたものと同様の破格であり,依然,CABD以外の名称での報告があることを加味すると,その遭遇頻度は従来考えられているよりも高いものと考えられる.CABDに限らず,胆道走行の破格は日常診療でしばしば遭遇するので,胆道の走行を把握することは胆管損傷を避ける上で必要不可欠である.また,術中胆道造影をいつでも行える体制は,胆道損傷の確実な回避と損傷時の迅速な対応に有用である.