日本集中治療医学会雑誌
Online ISSN : 1882-966X
Print ISSN : 1340-7988
ISSN-L : 1340-7988
総説
一酸化炭素中毒間歇型の病態と予防
藤田 基鶴田 良介
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 20 巻 3 号 p. 373-379

詳細
抄録

一酸化炭素(CO)中毒の間歇型は,CO中毒患者の亜急性期から慢性期における予後を規定する病態である。その病態は,COによる直接的・間接的な虚血による神経細胞傷害と脱髄性傷害が主体と考えられる。診断は急性CO中毒後,無症状期を経て40日以内に出現する失見当識,記銘力障害などの多彩な精神神経症状による。また積極的に複数の検査を組み合わせた評価バッテリーを行う方法がある。間歇型発症率は0~46%と報告されており,予測因子としては意識障害の有無,年齢36歳以上,血中carboxyl hemoglobin(COHb)濃度25%以上,CO曝露から治療開始まで24時間経過していること,白血球増多などが報告されているが,一定したものはない。また予防として高気圧酸素治療が有効である可能性があるが,その効果について未だ議論が分かれており,今後のさらなる症例の蓄積,検討が必要である。

著者関連情報
© 2013 日本集中治療医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top