日本集中治療医学会雑誌
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原著
褥瘡発生要因の観点からチーム看護による褥瘡予防対策効果の検証
古市 由紀難波 志穂子寺澤 紘子二丹 愛里福田 妙子尺田 峰
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2014 年 21 巻 1 号 p. 17-23

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抄録
【目的】救急集中治療領域では褥瘡発生のハイリスク状態にある患者が多い。我々は看護師によるチームでの褥瘡予防対策を行ってきた。今回,患者の褥瘡発生に関わる要因を検討することで褥瘡予防対策の効果を検証した。【方法】岡山大学病院高度救命救急センターに入室した379人の患者を対象とした。看護師によるチームでの褥瘡予防対策を行った患者203人を介入群とし,それ以前の患者176人を対照群とした。介入群と対照群の褥瘡発生率を比較し,ならびにリスク要因についても検討した。【結果】褥瘡発生者数は,対照群20名(11%),介入群は9名(4%)と,褥瘡発生率は減少していた。ロジスティック解析によりアルブミン値と骨突出が褥瘡発生のリスク要因であり,看護師によるチームでの褥瘡予防対策は褥瘡発生リスクを減少させることが明らかとなった。【結論】看護師によるチームでの褥瘡予防対策は,褥瘡発生率の減少に有効である。
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© 2014 日本集中治療医学会
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