日本集中治療医学会雑誌
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症例報告
集中治療を要した小児腫瘍関連緊急症例の治療成績
小泉 沢伊藤 雄介金沢 貴保川崎 達也小倉 妙美堀越 泰雄工藤 寿子植田 育也
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2014 年 21 巻 4 号 p. 323-327

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抄録

【目的】集中治療を要した小児腫瘍関連緊急症例の治療成績を報告する。【方法】2007年6月より2010年12月までに血液・固形腫瘍を基礎疾患として小児ICU(pediatric ICU, PICU)に緊急入室した症例を対象とし,診療録を後方視的に検討した。【結果】対象は51例,基礎疾患は血液腫瘍39例,同種造血幹細胞移植施行16例であった。人工呼吸療法は34例に施行された。血液腫瘍を基礎疾患とする8例(16%)がICUで死亡した。生存例と比較し,死亡例で有意に入室時pediatric index of mortality 2予測死亡率が高値で,急性呼吸窮迫症候群と敗血症の合併率が高かった。【結論】当院で集中治療を要した小児腫瘍関連緊急症例の治療成績を報告した。今後は小児腫瘍性疾患患者に対する集中治療の有益性を検証する必要がある。

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© 2014 日本集中治療医学会
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