日本集中治療医学会雑誌
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原著
冠動脈バイパス術後リハビリテーション遅延の特徴とその関連因子
森沢 知之湯口 聡大浦 啓輔上坂 建太加藤 倫卓齊藤 正和櫻田 弘治澁川 武志田原 将之花房 祐輔高橋 哲也
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2014 年 21 巻 6 号 p. 601-606

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抄録

【目的】Coronary artery bypass grafting(CABG)術後リハビリテーション(リハビリ)の遅延割合および遅延に関わる因子を明らかにする。【方法】対象は全国8ヵ所で待機的にCABGを受け,術後に標準的なリハビリを受けた529例。術後8日以内に歩行が自立した順調例と9日以上を要した遅延例に分類し,遅延に最も関係の深いと思われる要因を7つのカテゴリーから選択した。また患者基本情報,術前検査値,手術情報を収集し,遅延に関わる要因を検討した。【結果と考察】術後リハビリ遅延の割合は10.4%で,遅延理由は「心臓由来」が最も多かった。ロジスティック解析の結果,遅延因子として運動器疾患の既往,術前Cr,estimated glomerular filtration rate(eGFR)などが抽出された。【まとめ】運動器疾患の既往や術前からの腎機能障害は術後リハビリが遅延する。

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© 2014 日本集中治療医学会
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