【目的】非再呼吸式リザーバーマスク(以下,RM)の装着具合と酸素流量がF
IO
2に及ぼす影響を高機能患者シミュレータを用いて調べた。【方法】高機能患者シミュレータ(分時換気量9.8
l/minの成人男性モデル)にRMを緩め・通常・密着の3通りで装着し,酸素流量6,8,10,12,15
l/minにおけるpartial pressure of alveolar oxygen(P
AO
2),F
IO
2,吸気中の空気混入率を求めた。【結果】酸素流量15
l/minのF
IO
2は,緩め装着で0.64,通常で0.85,密着で0.90だった。密着時の吸気への空気混入率は,上述酸素流量で,それぞれ52,39,30,22,13%,F
IO
2は0.59,0.69,0.76,0.83,0.90だった。【結論】RM密着時は予想に近いF
IO
2が得られるが,酸素流量が少ないとF
IO
2が低下し吸気抵抗が増大する。緩め装着ではF
IO
2の低下が著しい。いずれにしてもRMは酸素流量を下げるべきではないと示唆された。
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