日本集中治療医学会雑誌
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原著
非再呼吸式リザーバーマスクの装着具合と供給酸素流量が吸入酸素濃度に及ぼす影響 —高機能患者シミュレータを用いた研究—
萬 知子森山 潔本保 晃小谷 真理子鵜澤 康二神山 智幾
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2014 年 21 巻 6 号 p. 607-613

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抄録

【目的】非再呼吸式リザーバーマスク(以下,RM)の装着具合と酸素流量がFIO2に及ぼす影響を高機能患者シミュレータを用いて調べた。【方法】高機能患者シミュレータ(分時換気量9.8 l/minの成人男性モデル)にRMを緩め・通常・密着の3通りで装着し,酸素流量6,8,10,12,15 l/minにおけるpartial pressure of alveolar oxygen(PAO2),FIO2,吸気中の空気混入率を求めた。【結果】酸素流量15 l/minのFIO2は,緩め装着で0.64,通常で0.85,密着で0.90だった。密着時の吸気への空気混入率は,上述酸素流量で,それぞれ52,39,30,22,13%,FIO2は0.59,0.69,0.76,0.83,0.90だった。【結論】RM密着時は予想に近いFIO2が得られるが,酸素流量が少ないとFIO2が低下し吸気抵抗が増大する。緩め装着ではFIO2の低下が著しい。いずれにしてもRMは酸素流量を下げるべきではないと示唆された。

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© 2014 日本集中治療医学会
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