日本集中治療医学会雑誌
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症例報告
上腕骨近位端骨折術後に腋窩上腕動脈仮性瘤破裂と巨大胸部血腫を併発した1例
庄司 高裕原田 裕久松井 淳一
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2016 年 23 巻 5 号 p. 567-570

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抄録

上腕骨骨折後に腋窩上腕動脈仮性瘤を形成し,さらに血腫による胸郭運動障害,呼吸不全を合併した稀な症例を経験したので報告する。症例は88歳の女性。転倒し左上腕骨近位端を骨折,整形外科にて観血的整復固定術を施行。翌日より貧血の進行あり,術後7日目にショックと呼吸不全を認め,造影CT施行。左腋窩上腕動脈損傷による仮性瘤破裂と巨大血腫による胸郭運動障害を認め,同日当科にて全身麻酔下で損傷血管のコイル塞栓術と血腫除去術を施行。術後経過は良好であった。術前全身状態が不良のため,interventional radiology(IVR)手技を応用した低侵襲治療にて救命し得た。

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© 2016 日本集中治療医学会
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