日本集中治療医学会雑誌
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原著
初療時胸部CT画像検査における気管支壁厚を用いた気道熱傷の重症度予測の有効性の検討
久保 飛鳥廣瀬 智也小川 新史山田 知輝中江 晴彦岸 正司山吉 滋
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2018 年 25 巻 3 号 p. 179-184

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抄録
【目的】気管支鏡による偽膜形成の評価は,受傷時に正確に判断できないことがある。そこで,初療時胸部CT検査が気道熱傷の重症度評価に有効か検討した。【方法】2011年4月から2016年12月に搬送された気道熱傷症例を対象に,胸部CT検査で中枢・末梢気管支壁肥厚を測定し,気管支鏡検査による重症度分類や臨床経過との関係を後ろ向きに検討した。結果は中央値で示す。【結果】症例は36例,年齢64.5歳であった。そのうち,気管支鏡検査による重症度評価かつ胸部CT検査が行われていたのは18例であった。重症度が高いほど,有意に中枢と末梢の気管支壁の肥厚を認めた(中枢:Grade 1:5例,1.55 mm,Grade 2:4例,1.89 mm,Grade 3:3例,4.39 mm,Grade 4:6例,3.77 mm,P<0.01,末梢:Grade 1:1.45 mm,Grade 2:2.06 mm,Grade 3:3.40 mm,Grade 4:3.62 mm,P<0.01)。【結論】初療時胸部CT検査を行うことで,気道熱傷の重症度を早期に予測することができる可能性がある。
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© 2018 日本集中治療医学会
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