2018 年 25 巻 6 号 p. 437-440
症例は59歳,男性。腹痛を主訴に救急搬送され,腹部造影CTで前下膵十二指腸動脈瘤破裂による後腹膜血腫と診断した。動脈瘤の原因として,segmental arterial mediolysisと腹腔動脈起始部狭窄の関与が考えられた。Transcatheter arterial embolizationを行ったが,巨大な後腹膜血腫による腹部コンパートメント症候群を発症した。メッシュによる正中の筋膜牽引とnegative pressure wound therapyを併用したopen abdominal managementを行い,状態が安定したところで後腹膜血腫の除去と筋膜閉鎖による閉腹を行って良好な転帰を得られた。