2018 年 25 巻 6 号 p. 441-446
【目的】これまで溶血性尿毒症症候群(hemolytic uremic syndrome, HUS)の腎機能予後不良因子などは報告されているが,腎代替療法(renal replacement therapy, RRT)の施行期間に関する因子の検討はされていない。今回我々は長期間RRTを要する症例の特徴について検討した。【方法】2010年1月から2014年12月の間にHUSの診断で当院PICUに入室し,RRTを導入した7例を対象とし,診療録を用いた後方視的観察研究を行った。RRTを1週間未満で離脱した症例を短期群(4例),1週間以上施行した症例を長期群(3例)の2群に分類し,患者背景,検査結果,尿量,水分出納について比較検討した。【結果】長期群はRRT導入後2〜4日目の尿量が有意に少なかった。同期間の%fluid overloadに両群間で統計学的有意差は認められなかった。【結論】RRT導入後,乏尿または無尿が4日間以上持続する場合には長期間のRRTを要する可能性がある。