日本集中治療医学会雑誌
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症例報告
集中治療管理を要した乳児human parechovirus感染症症例の特徴
後藤 保谷 昌憲澤田 奈実手塚 宜行宮田 一平宮入 烈西村 奈穂中川 聡
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2018 年 25 巻 6 号 p. 447-452

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抄録

Human parechovirus(HPeV)は,新生児,乳幼児期の感染でより重症化しやすく,様々な臓器障害を引き起こすとされている。今回,2011年1月から2014年9月に当院PICUに入室し,血清ウイルスPCR(polymerase chain reaction)でHPeV陽性となった13例の臨床的特徴と臨床経過についてまとめた。特徴として,男児が多く(11例),全例が3か月未満の乳児であり,初夏から秋にかけて発症していた。血液検査では白血球数低値,CRP陰性であり,血清フェリチン値を測定された5例ではフェリチン値の上昇を認めた。また,ショックを呈した症例が10例と大多数を占め,全例で100 mL/kg以上の輸液負荷が行われていた。HPeVの重症例は敗血症性ショックを呈し,多量の輸液負荷やカテコラミンなどを用いた初期蘇生が行われていたことが明らかとなった。

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