日本集中治療医学会雑誌
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解説
呼吸回路フィルタと人工鼻フィルタ
木村 政義
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2021 年 28 巻 3 号 p. 189-195

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抄録

要約:人工呼吸器からウイルスや細菌の放出を阻止するために,呼吸回路フィルタ(吸気フィルタ・呼気フィルタ)や人工鼻フィルタが使用される。フィルタは,「機械式フィルタ」と「静電式フィルタ」に分けられる。機械式フィルタは疎水能力が高く,湿潤状態でも高い濾過効率を維持する。静電式フィルタは疎水能力が低いものがあり,湿潤状態では濾過効率が低下する恐れがある。よって,加温加湿器使用時の呼気フィルタは,機械式フィルタを使用する。 機械式フィルタは死腔量が大きいため,人工鼻フィルタには静電式フィルタが多く用いられる。静電式フィルタを用いた人工鼻フィルタは,人工鼻側から混入した水分がフィルタ側にも侵入すると濾過効率が低下するため,呼気フィルタと併用することが望ましい。フィルタの交換間隔を延長する必要がある時は,特に呼気抵抗増加に注意し,フィルタハウジング内への水分混入を軽減する工夫が必要である。

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© 2021 日本集中治療医学会
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