日本集中治療医学会雑誌
Online ISSN : 1882-966X
Print ISSN : 1340-7988
ISSN-L : 1340-7988
総 説
重症患者のリハビリテーション
對東 俊介
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 29 巻 5 号 p. 503-509

詳細
抄録

重症患者に対するリハビリテーションの目的は,日常生活活動(activities of daily living, ADL)を維持,改善,再獲得することで,QOLを改善することである。重症患者に対するリハビリテーションはABCDEFバンドルの一つの要素として捉え,集中治療後症候群ost-intensive care syndrome, PICS)予防のために包括的な介入を行うべきである。重症患者においてリハビリテーションは死亡を改善しないが,身体機能やADLを改善するため,国内外のガイドラインで実施が推奨されている。近年はPICS予防のためのICU入室中のリハビリテーションだけでなく,ICU退室後のリハビリテーションやフォローアップが注目されている。臨床現場で遭遇する様々な障害や疾患に対するICU内およびICU退院後のリハビリテーションの最適な量,頻度,強度,期間,および種類を明らかにするために,さらなる研究が必要である。

著者関連情報
© 2022 日本集中治療医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top