日本集中治療医学会雑誌
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症例報告
縦隔気管孔形成術を施行したムコ多糖症I型(Hurler症候群)の1例
首藤 喬舟井 優介堀 耕太郎脇 彩也香森 隆
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2023 年 30 巻 4 号 p. 235-238

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抄録

重度の頸椎後屈制限を伴うムコ多糖症I型(Hurler症候群)の患児に対し,縦隔気管孔形成術を施行した1例を経験した。症例は10歳,男児。幼少時よりHurler症候群と診断され,4歳時に頸椎症に対して椎弓切除術を受けた。ARDSのため他院で気管挿管されたが,集中治療目的に当院に搬送された。集中治療により肺炎は改善したが,人工呼吸器からの離脱が困難で,気管切開が必要な状態と判断された。しかし,頸椎後屈制限のため気管切開が不可能であり,縦隔気管孔形成術を行う方針とした。小児では稀な術式であり,患児の合併疾患も重篤であるため,多職種合同カンファレンスを行い,周術期管理について綿密に検討した。特に手術体位の決定,術野挿管の方法,体外循環の可否,腕頭動静脈切断リスクへの対応について議論した。手術は問題なく終了し,術後合併症を生じずに良好な経過をとった。多職種連携による集学的治療を行うことで安全に管理できた。

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© 2023 日本集中治療医学会
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