日本集中治療医学会雑誌
Online ISSN : 1882-966X
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30 巻, 4 号
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編集委員会より
今号のハイライト
症例報告
  • 大泉 智哉, 阿部 良伸, 山家 研一郎, 渡部 祐司, 大島 謙吾, 池辺 忠義, 関 雅文, 遠藤 智之
    原稿種別: 症例報告
    2023 年 30 巻 4 号 p. 231-234
    発行日: 2023/07/01
    公開日: 2023/07/01
    ジャーナル フリー

    夫婦でStreptococcus pyogenesによる壊死性筋膜炎を発症したが,妻のみ劇症型の経過となり死亡するという転帰の異なる2症例を経験した。妻は,病変部位の病理検査では好中球の浸潤が乏しく,血液培養から病原制御因子であるCsrSに変異のある菌株が検出された。一方,夫の病理検査では多数の好中球の浸潤を認め,菌株に病原制御因子の変異を認めなかった。菌株の病原制御因子の変異は,劇症化や病理組織所見と関連する可能性が示唆された。

  • 首藤 喬, 舟井 優介, 堀 耕太郎, 脇 彩也香, 森 隆
    原稿種別: 症例報告
    2023 年 30 巻 4 号 p. 235-238
    発行日: 2023/07/01
    公開日: 2023/07/01
    ジャーナル フリー

    重度の頸椎後屈制限を伴うムコ多糖症I型(Hurler症候群)の患児に対し,縦隔気管孔形成術を施行した1例を経験した。症例は10歳,男児。幼少時よりHurler症候群と診断され,4歳時に頸椎症に対して椎弓切除術を受けた。ARDSのため他院で気管挿管されたが,集中治療目的に当院に搬送された。集中治療により肺炎は改善したが,人工呼吸器からの離脱が困難で,気管切開が必要な状態と判断された。しかし,頸椎後屈制限のため気管切開が不可能であり,縦隔気管孔形成術を行う方針とした。小児では稀な術式であり,患児の合併疾患も重篤であるため,多職種合同カンファレンスを行い,周術期管理について綿密に検討した。特に手術体位の決定,術野挿管の方法,体外循環の可否,腕頭動静脈切断リスクへの対応について議論した。手術は問題なく終了し,術後合併症を生じずに良好な経過をとった。多職種連携による集学的治療を行うことで安全に管理できた。

短 報
調査報告
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