日本集中治療医学会雑誌
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学会創立50周年記念特集
臨床工学技士の業務と医師の指示のあり方
相嶋 一登
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2024 年 31 巻 6 号 p. 537-543

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抄録

1950年代以降,医療現場には医療機器が多く導入されるようになり,医療機器の操作および保守点検を行う医療専門職種が必要となった。日本ME学会(現 日本生体医工学会)など関係学会が政府に働きかけることにより,1987年に臨床工学技士法が成立し,1988年に施行された。2021年には臨床工学技士法が改正され,集中治療室においては静脈路確保や薬剤投与が可能となった。 臨床工学技士は医師の指示の下に生命維持管理装置の操作を行うことができるとされているが,具体的な業務内容については規定されておらず,社会通念に照らして判断することが相当であるとされている。臨床工学技士が医行為を行うには医師からの指示が必要であるが,臨床工学技士が行う医行為の基礎となる学問を医師が習得しているとは限らない。したがって,医行為の実施については医師から臨床工学技士に対する一方向の指示だけではなく,臨床工学技士からの相談,提案に基づく双方向コミュニケーションが必要となる。

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