2025 年 32 巻 論文ID: 32_R37
要約:コントロール不良の甲状腺機能亢進症の抜管時期に関しての報告はなく,様々な刺激で甲状腺クリーゼとなるため慎重な管理を要する。症例は49歳,男性。Basedow病の既往歴がありチアマゾールを処方されていたが半年前より自己中断していた。十二指腸穿孔と診断され,チアマゾールとヒドロコルチゾンを静脈注射後に緊急手術を実施した。術前は甲状腺クリーゼの確実例としての診断基準は満たしていなかった。甲状腺機能亢進状態であったため,術後は抜管せずにICUに帰室し,術後第2病日に抜管した。抜管後に急性心不全となり,不穏状態となった。抜管を契機に甲状腺クリーゼが顕在化したため,再挿管となった。ヨウ化カリウムの投与を追加し,甲状腺ホルモンのコントロールが十分に得られたことを確認後に再抜管し,以降の経過は良好であった。抜管の際は甲状腺機能亢進に対する治療が十分に行われていることを確認し,交感神経が過緊張にならないような管理をする必要がある。