日本集中治療医学会雑誌
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症例報告
家族内で発生した食餌性ボツリヌス症の2症例
桑原 麻菜美石原 旭徳永 健太郎江嶋 正志鷺島 克之平田 直之
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2025 年 32 巻 論文ID: 32_R43

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抄録

食餌性ボツリヌス症は非常に稀で,合併症の報告も少ない。今回異なる合併症を呈した2症例を報告する。症例1:41歳,女性。複視,構音障害,四肢筋力低下で受診した。問診よりボツリヌス症が疑われた。抗毒素投与後も筋力回復は乏しく,第4病日に気管切開を実施した。第6病日に非閉塞性腸管虚血(non-occlusive mesenteric ischemia, NOMI)を発症し手術を実施した。術後経過は良好で第17病日にICUを退室した。症例2:48歳,男性。複視,構音障害で受診した。症例1の配偶者であり,ボツリヌス症が疑われた。抗毒素投与後も人工呼吸器離脱に至らず第4病日に人工呼吸器関連肺炎を発症した。第12病日に気管切開を実施し,第20病日に人工呼吸器を離脱した。ボツリヌス症治療経過中に合併症としては稀なNOMIを発症したが,救命することができた。ボツリヌス症は他の神経筋疾患との鑑別に難渋する場合もあるが,本症例では同伴家族からの問診により迅速に診断し治療開始することができた。

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