医療者が患者の異常を察知する指標の1つである顔色不良は主観的な評価である。そこで,分光測色計を用いて,ショック患者の前額皮膚色を経時的に測定し,皮膚色をL*(明度),a*(赤み),b*(黄み)値で表示し,その変化と関連因子を明らかにするため研究を実施した。患者9名を対象に3時点で測色した。16回の測定間で,「L*低下・a*上昇」(顔色改善)が6回,「L*上昇・a*低下」(顔色不良)が3回認められた。顔色改善には平均動脈圧やヘモグロビン値より乳酸値の低下が関連することが示され,皮膚色変化は病態変化と関連すると推測された。