2026 年 33 巻 論文ID: 33_R30
動的な輸液反応性指標として,脈圧変動(pulse pressure variation, PPV)や一回拍出量変動(stroke volume variation, SVV)がある。しかし,自発呼吸,不整脈,低一回換気量,肺コンプライアンス低下,奇脈を来す病態,心拍数/呼吸数比が低い状態,あるいは開胸などの状況下では,PPV,SVVの信頼性が低下する。これらは,呼吸に伴う右室・左室の前負荷・後負荷の変化と,胸腔内圧,経肺圧,肺循環時間の関係から説明可能である。PPV・SVVの信頼性が乏しくなる状況では,輸液反応性指標として受動的下肢挙上テストや呼気終末閉塞テストなどの指標を用いるが,一回換気量チャレンジのようにPPVの変化量を見る方法もある。さらに,心肺相互作用を理解することによって,PPV,SVVを単なる輸液反応性指標としてのみでなく,病態の診断的手掛かりとしても活用し得ると考える。