日本集中治療医学会雑誌
Online ISSN : 1882-966X
Print ISSN : 1340-7988
ISSN-L : 1340-7988
総説
人工心肺併用心臓外科手術におけるプロトロンビン複合体濃縮製剤の効果と安全性についての紹介:海外のエビデンスと日本の現状
日笠 友起子, 前田 明倫, 森松 博史
著者情報
ジャーナル フリー

2026 年 33 巻 論文ID: 33_R27

詳細
抄録

人工心肺使用後の凝固異常に伴う出血は,心臓外科手術の周術期管理において大きな課題である。近年,その治療および予防を目的としたプロトロンビン複合体濃縮製剤(prothrombin complex concentrate, PCC)使用が注目されている。PCCはヒト血漿由来の凝固因子濃縮製剤であり,本邦では第Ⅱ,Ⅶ,Ⅸ,Ⅹ因子を含む4-factor PCCが使用可能で,大量出血や緊急手術時のビタミンK拮抗薬のリバースに適応がある。一方,海外では人工心肺使用後の凝固異常に伴う出血に対して適応外使用ながら臨床使用が進んでいる。多施設RCTも実施され,PCCが新鮮凍結血漿と比較して出血量や輸血量の減少に寄与し,血栓症などの有害事象を増加させない可能性が報告されている。本稿では,本邦の心臓外科周術期におけるPCC使用普及の可能性を踏まえ,PCCの特性と利点,これまでの研究成果,そして本邦における現状と今後の課題について概説する。

著者関連情報
© 2026 日本集中治療医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top