抄録
本研究は,日本で標準的に活用できる重症・救急患者家族のアセスメントツールであるCNS-FACE (Coping & Needs Scale for Family Assessment in Critical and Emergency Care Settings)開発プロジェクトの一環として実施したものである。研究目的は,暫定版CNS-FACEを基に,完成版のCNS-FACEを作成することである。方法は,9つの大学附属病院および公立病院の救命救急センター,ICU・CCUなどに入院した248名の患者の家族274名を対象に,53項目の行動評定尺度で構成される暫定版CNS-FACEを用いて収集したデータを分析した。分析手法は,各項目に対する反応分布の評価,ニードとコーピングの探索的因子分析,multitrait scaling analysis, G-P analysis,確認的因子分析を行った。これらにより,ニードとコーピングに構成概念妥当性がある46項目の行動評定尺度で構成される完成版CNS-FACEを作成した。