日本集中治療医学会雑誌
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肺移植術後の集中治療
溝渕 知司五藤 恵次森田 潔
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2003 年 10 巻 4 号 p. 339-346

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抄録
肺移植術後急性期は,人工呼吸器からの離脱だけでなく感染症,免疫抑制療法,循環管理,栄養管理などを含めた集中治療管理が必要である。移植肺の生理を十分に理解し,わずかな変化も見逃さず迅速に対応することが不可欠である。移植後,肺は拒絶反応を起こしやすく,また咳反射が消失し喀痰排泄能も低下することなどにより易感染性となる。循環動態が不安定なこともあり,容易に肺水腫を引き起こす。特に移植肺の小さい生体肺移植や原発性肺高血圧症に対する肺移植後は少しの容量負荷で状態が悪化するので要注意である。
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