抄録
集中治療,人工呼吸管理中の経皮的気管切開時の合併症回避のため,気管支鏡モニター下に経皮的気管切開を11例に施行した。経皮的穿刺前に挿管チューブから気管支鏡を挿入し,気管支鏡モニター下に挿管チューブを口側へ引き抜き,以後の操作をすべて気管支鏡モニター下に行った。これにより,経皮的気管切開に特有の合併症である挿管チューブの誤抜去,誤穿刺,ミスカニュレーションなどの合併症を回避できた。気管支鏡モニター下の経皮的気管切開法は,全身状態の低下している症例において,より安全で確実に気管切開を行う有用な方法であると考えられた。