日本集中治療医学会雑誌
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可溶性フィブリンモノマー複合体の上昇によって深部静脈血栓が診断できた3症例
七野 力瀬川 一正田 丈裕辻川 洋大条 紘樹柚木 圭子福田 和彦
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2006 年 13 巻 1 号 p. 53-56

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抄録
血中の可溶性フィブリンモノマー複合体(soluble fibrin monomer complex, SFMC)は血液が過凝固状態となり血管内フィブリンの形成が亢進した場合に検出される。そのためSFMCの高値は播種性血管内凝固症候群や血栓症の存在,もしくは血栓準備状態を意味する。今回,疾患の経過中に血中SFMCが特異的に上昇し,それにより深部静脈血栓(deep vein thrombosis, DVT)の形成を早期に診断し得た症例を経験した。血栓形成に関する他の諸検査に比してSFMCは鋭敏であり,DVTの診断に有用である可能性が示唆された。
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