1996 年 3 巻 1 号 p. 43-46
人工呼吸管理が必要な熱傷患者5名に対し,ミダゾラム持続投与による鎮静法の有用性を検討した。ミダゾラムの持続投与量は,0.2±0.05mg・kg-1・hr-1(mean±SD)で1週間以上投与した。血圧・脈拍には大きな変化を及ぼすことなく,求める鎮静レベルが維持できた。投与中の血漿ミダゾラム濃度は,1179.5±244ng・ml-1であり投与期間中ほぼ一定の値を示し,持続投与中止後,平均血漿ミダゾラム濃度は1時間でそれまでの約70%,4時間で約50%へと低下した。副作用も見られなかった。以上より,人工呼吸中の熱傷患者の鎮静には,ミダゾラムを平均0.2±0.05mg・kg-1・hr-1で投与すれば適度な鎮静が得られ,かつ副作用は生じないことがわかった。