抄録
人工呼吸管理を要した重症ギランバレー症候群の2歳女児(体重10kg)に対して,発症7日以内に血漿交換を計3回(総血漿処理量180ml・kg-1)施行し,その後免疫グロブリン大量静注法(0.4g・kg-1・day-1,5日間)を併用,第34病日に人工呼吸を離脱した。血漿交換の際の血漿分離法として,回路充填量の多い遠心分離型では血液希釈を,膜分離型では回路内溶血を合併した。血行動態は安定し,明らかな血清電解質異常等は来たさなかったが,血液性状の変化にも厳重な監視が必要である。また,本症例のように,血漿交換実施後も神経症状が増悪し,同時に脂質・グロブリン等血液成分の喪失が無視できない場合,免疫グロブリン大量静注法の併用も検討されてよいと思われた。