抄録
慢性腎不全患者に合併した脳内出血の治療に関して検討した。慢性腎不全で脳内出血をきたした15症例を対象とし,これら症例に関して脳内出血発症前の日常生活動作(activity of daily living; ADL)(5段階評価)と治療後および長期経過後のADL,脳内出血発症時の意識レベル,コンピューター断層撮影法上の血腫サイズ(血腫最大径)について検討した。意識レベルがsomolenceより軽症で内科的治療施行群および意識レベルがstuporからsemicomaで外科的治療施行群はさ一般的な高血圧性脳内血腫の治療成績と同程度の成績と考えられた。また症例を非手術群と手術群とに分け,脳内出血発症前,発症後のADLを比較すると差はみられなかった。しかし発症時の意識および血腫サイズの点では手術群の方がより重症であった。このことは腎不全患者における脳内出血も適切な手術方法を選択すれば,より軽症の脳内出血に近い予後を得ることができることを示していると思われた。