抄録
ミルクの誤嚥で油脂性肺炎に罹り,慢性呼吸不全になった6ヵ月の乳児に1年間におよぶ人工呼吸管理を行った。現病歴,検査所見より外因性油脂性肺炎と診断した。最初,圧支持換気(pressure support ventilation; PSV)で呼吸指数は7から3へ改善した。腹臥位による肺理学療法を行い,間欠的強制換気で人工呼吸器からの離脱を4ヵ月間に3回試みたが成功しなかった。中心静脈栄養で,敗血症を合併したため経管栄養に変更し,体重は6,150gまで増加した。これに伴い,on-off法で離脱を開始し,7ヵ月で離脱が完了し354日間の人工呼吸管理を終了した。PSV,on-off法による離脱,腹臥位,および経管栄養が有用であった。