日本集中治療医学会雑誌
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突然の大量喫煙による誘発が疑われた急性好酸球性肺炎による呼吸不全の1症例
坂口 秀弘濱口 正道菊田 浩一久木田 一朗岡元 和文
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2000 年 7 巻 1 号 p. 33-37

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抄録
突然の大量喫煙による誘発が疑われた急性好酸球性肺炎によると考えられる呼吸不全を経験した。22歳,男性。既往歴に特記すべきことはない。交通事故による左母趾開放骨折で某院入院となった。骨折の経過に問題はない。事故15日目から発熱,乾性咳嗽,低酸素血症,呼吸困難が順次出現し,コハク酸メチルプレドニゾロン1,000mg静注後に,本院ICUに緊急入院となった。入院時検査では胸部X線写真で両肺野の著明な透過性低下,肺酸素化能障害,白血球数増加を認めた。第7ICU病日に白血球分画で好酸球が44%に著増し,急性好酸球性肺炎(AEP)が原疾患と推察した。急性呼吸不全はICU収容直前に投与したメチルプレドニゾロン,酸素投与,抗生物質で合併症もなく治癒した。AEPの誘因として事故後3日目に始めた突然の大量喫煙の可能性が示唆された。
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