情報通信学会誌
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論説
フェイクニュース生成過程におけるミドルメディアの役割
2017年衆議院選挙を事例として
藤代 裕之
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2019 年 37 巻 2 号 p. 93-99

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抄録

2016年のアメリカ大統領選挙を契機に、フェイクニュースに対する注目が世界的に集まっているが、国内においては研究がほとんど行われていない。本研究は,国内におけるフェイクニュースの生成過程を,オンラインニュースにおける生態系で重要な役割を果たすミドルメディアに注目して分析したものである。分析の結果、ミドルメディアは、マスメディアのニュースと検証困難なソーシャルメディアの批判的・否定的反応を組み合わせることでフェイクニュースを作り出していた。これはミドルメディアの新たな役割である。また、ミドルメディアにより作り出されたフェイクニュースが記事配信されることにより、オンラインにおいて大きな影響力を持つポータルサイトに到達する「フェイクニュース・パイプライン」の存在を明らかにすることができた。

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