農業農村工学会論文集
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研究報文
ELISA法を用いた農薬測定法の地下水質モニタリングへの適用性
土原 健雄吉本 周平石田 聡今泉 眞之
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2009 年 77 巻 2 号 p. 207-217

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抄録

農薬の簡易な測定法であるELISA(Enzyme-linked Immunosorbent Assay)法の原理や測定法について整理するとともに,土壌カラムを用いた鉛直浸透試験,沖永良部島での地下水農薬調査にELISA法を用いた農薬測定法を使用し,地下水質モニタリングにおいて,農薬(フェニトロチオン)のスクリーニングのみならず,濃度の定量にも適用が可能であることを示した.土壌カラム試験より,農薬は非吸着トレーサーに比して遅延して鉛直浸透することが示された.また,沖永良部島では,農薬散布が集中するとされる時期から4ヵ月後であっても,地下水中で農薬が検出された.農地から地下水面までの農薬の到達の遅れ,あるいは地下水中の残留といった農薬の挙動を明らかにするためには,農薬が散布された時期から継続して水質をモニタリングする必要があり,そのような経年的な調査において,ELISA法による農薬測定法が適用可能である.

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© 2009 公益社団法人 農業農村工学会
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