農業農村工学会論文集
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研究論文
ピートモスの灯油保持カラム試験による油吸着材としての性能評価
大坪 政美小西 一貴真玉 洋彰東 孝寛金山 素平高田 雄三
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2012 年 80 巻 1 号 p. 1-7

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抄録
近年,海域や陸域における油汚染は深刻になりつつある.ピートモスは油の吸着材として有用な材料である.本報告ではカラム試験を使ってピートモスの灯油保持特性を調べることにより,ピートモスの油吸着材としての性能を評価した.比較のために油吸着材として活性炭,珪藻土,およびポリプロピレンも用いた.カラムに詰めた油吸着材の吸油・脱油試験の結果から,ピートモスは他の材料に比べて高い位置により多量の灯油を保持することがわかった.これは,ピートモスが他の材料に比べて強い力で油を吸引し,一旦保持された油は放出されにくいことを示している.また,単位容積および単位質量の吸着材が保持する灯油量はともに,ピートモスが最大であった.このようなピートモスの高い灯油吸着能は,繊維質の単体中に7~12μm程度の孔隙が多数存在し,その表面が凹凸に富み,油が特異的に吸着されることに起因していると推測した.
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© 2012 公益社団法人 農業農村工学会
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