農業農村工学会論文集
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研究論文
異なる河川流況下でのアユの遡上状況と遡上環境の評価
― 八東川(千代川水系)永野堰の事例 ―
高橋 直己北村 義信清水 克之
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2012 年 80 巻 4 号 p. 305-310

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抄録

魚道内の遡上環境と同様に,魚道に至る経路の環境は遡上する生物にとって重要な要素であると考えられる.本研究では,アユ用魚道と越流堰における遡上状況,堰下流部と魚道周辺の流況特性,および遡上期における堰越流部水深の変動を総合的に考察し,異なる河川流況下での越流堰下流部における遡上状況と遡上環境の評価を試みた.調査地点の流向と流速分布より,アユの遡上が活発になった越流部水深9.7cmの状態では,左岸側越流堰中央部から河川中央側にアユの選好流速が発生し,左岸魚道からの距離が20mから40mの範囲にアユが集まりやすい流況が形成されると考えられた.また遡上期を通して越流部水深の変動を求めた結果,本遡上状況調査時のような河川水位の上昇が例年6月以降に断続的に発生しており,河川流況の観点から最盛期以降でも遡上状況調査に適した日を選定できる可能性がある.

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© 2012 公益社団法人 農業農村工学会
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