著者らは,前報で開発したメタン発酵消化液の輸送・散布作業の計画策定を支援するモデルの機能の拡張を図った.拡張した機能は,(1)消化液の輸送を担うバキュームカー(VC)の台数を任意に設定できるようにしたこと,(2)メタン発酵施設と農地の間に消化液を貯留する施設(中間貯留槽)を設けた場合の輸送・散布作業に対応できるようにしたことの2点である.さらに,これらの機能を用いたモデル条件による試算を実施して,輸送距離に応じてVC及び散布車の待機時間が最小となるようにVCの台数を設定することや輸送距離が約10km以上であれば中間貯留槽を設置することによって,消化液の輸送・散布作業に要する労務量や燃料消費量が軽減できるケースがあることを明らかにした.