農業農村工学会論文集
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研究論文
蒸発過程にある土中の酸化還元電位の変化
武藤 由子加藤 希枝渡辺 晋生
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2013 年 81 巻 2 号 p. 137-143

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抄録
水田農業の持続的発展のためには,温室効果ガスの発生といった環境負荷を低減させる水管理技術の確立が急務である.そのため,水管理条件と土壌の酸化還元状態の関係を考慮した窒素・炭素動態の予測が求められている.浸透水中の溶存酸素が土壌の酸化還元状態と窒素・炭素動態に与える影響については,近年の研究により明らかになりつつある.そこで本研究では,蒸発過程において土壌への気相の侵入が土壌の酸化還元状態に与える影響を調べる目的で,水田土壌を充填した一次元カラムを用いた蒸発実験を行った.実験の結果,地表面から離れた下層ほど,酸化還元電位が上昇するために多くの気相の侵入が必要であること,酸化還元電位の上昇の過程には,蒸発にともなうわずかな気相の侵入が強く影響することが明らかとなった.
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© 2013 公益社団法人 農業農村工学会
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