樹皮由来バイオ炭(バーク炭)の施用による保水性・保肥性改善効果を明らかにするため, 福井県三里浜地域の砂丘地圃場において, 対照区, 炭少量区(20 t(乾物)ha-1施用区), 炭多量区(40t(乾物)ha-1施用区)を設定し, バーク炭施用前後の土壌理化学性および作物栽培条件下での土壌水分の変動を測定した.その結果, バーク炭の施用により, 有効水分量が有意に増加し(対照区と比較して, 炭少量区で20~30%, 炭多量区で50~60%増加), 陽イオン交換容量も有意に増加した(対照区と比較して, 炭少量区で2~4%, 炭多量区で8~9%増加).また, 炭多量区では, 作物栽培条件下での土壌水分ポテンシャルの低下が抑制されることが確認された.以上の結果から, バーク炭の砂丘地圃場への施用は, 土壌の保水性・保肥性を増加させ, 作物の水利用効率を向上させるための有効な方策になり得ることが示唆された.