ストックマネジメントの推進によって,コンクリート製開水路の水理機能の評価において,粗度係数が重要な指標となっている.しかし,供用中の農業用開水路では,現地における流速と水深の測定による粗度係数の同定が,測定条件上,適用困難な場所も多い.そこで,開水路の側面の算術平均粗さから粗度係数を推定する研究が進められている.しかし,開水路には等間隔で目地が存在し,開水路の摩擦抵抗に影響を与える可能性がある.本研究では,粗さの異なる3種の模型水路実験により,開水路の目地開きが摩擦抵抗に与える影響を検討した.その結果,水面形において目地開き近傍で水深が低下し,目地と目地の中間付近で水深が回復する傾向が見られた.また,粗さの異なる3種の模型水路とも,1スパンの0~2.2%程度の目地開きの範囲では開水路の摩擦抵抗にほとんど影響を与えないことが確認できた.