三重県の宮川用水末端の給水栓においてタイワンシジミによる閉塞問題が拡大している.本研究では,この閉塞問題対策として宮川用水土地改良区が行っている国営1号幹線水路明星1号排泥工の排泥操作の記録より,管内のタイワンシジミの排出状況を検討した.その結果,タイワンシジミは流速が早くなる代掻き,田植え期と中干し後の時期に移動している状況が明らかとなった.また,明星1号排泥工付近の内径2,000mmの管内調査より,タイワンシジミは継手部の段差などを生息の場としている状況が確認できた.管内調査で採取したタイワンシジミの生息調査より,12月のパイプライン内の継手部に存在する90%以上のタイワンシジミが6,000個体/m2程度の高密度で生息していた.また,掃流計算から,継手部では殻長20mm以上のタイワンシジミが複数年度生息している可能性が高いことが分かった.