本報では, 先に試作したバイオガス体積の簡易測定器でバイオガスに含まれる二酸化炭素(CO2)の水への溶解の影響を評価した.簡易測定器は, 水上置換法を基にしているため, CO2の水への溶解は簡易測定器の水柱高の低下を招き, 体積測定を不安定なものとした.このため, 簡易測定器を改良し, メタンガスとCO2を混合して作成した模擬バイオガスをシリンジで定量注入して同体積を試作器で測定し, 測定精度を検証した.模擬バイオガスの体積測定値の平均値は真値から-2.8~4.7mLのズレが生じ, 標準偏差は0~3.0mLであった.水柱高の低下速度はCO2濃度と相関関係が認められ, メタン発酵実験でのバイオガス中のメタン濃度のモニタリングへの活用が期待される.また, 簡易測定器に水酸化ナトリウム水溶液を添加してCO2を吸収させることで, CO2濃度が測定できることを示した.