農業農村工学会論文集
Online ISSN : 1884-7242
Print ISSN : 1882-2789
ISSN-L : 1882-2789
研究論文
排水路の魚溜工における施工後3年間の土砂堆積状況
皆川 明子中林 真由藪田 暢也饗庭 俊大久保 卓也
著者情報
ジャーナル フリー

2020 年 88 巻 1 号 p. I_77-I_84

詳細
抄録

圃場整備事業に伴い同じ排水路線上に近接して施工された2つの魚溜工を対象として,施工後3年間にわたり,毎年4月に堆積土砂を全て浚渫してから10月までの土砂の堆積状況を調査した.その結果,魚溜工容積に対する堆積土砂の占有率は,上流側で18~39%,下流側で11~17%であった.したがって,魚溜工を同じ水路の上下流に近接して施工することにより,上流側を土砂溜としても機能させ,下流側は水生生物の越冬場として水深を確保できる可能性が示唆された.また,供用開始後2か月の時点で魚溜工容積の23~29%が土砂で占められ,堆積土砂と法面,畦畔,圃場の土壌の粒径分布から,堆積土砂には法面や畦畔から供給された土砂が含まれると考えられた.よって,維持管理労力の軽減のためには整備直後の畦畔・法面の緑化を促し,降雨時の土壌侵食を抑制することが必要と考えられる.

著者関連情報
© 2020 公益社団法人 農業農村工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top