農業農村工学会論文集
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研究展望
Acoustic Emissionによる植物起源弾性波の同定に関する研究史
島本 由麻鈴木 哲也
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2021 年 89 巻 1 号 p. III_1-III_13

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抄録

本論では,1966年から2019年までの54年間におけるAE法を用いた植物起源弾性波の同定に関する研究を調査し,現状と農業生産へのAE法の活用に関する今後の課題をまとめる.現在までに,高精度にAEの発生挙動やエネルギ,周波数特性を取得できるようになり,樹木の脆弱性評価や農作物の精密な生育診断へのAE法の有用性が明らかとなってきている.今後の研究課題として,スマート農業の普及に向けた環境情報,栽培管理情報と生体情報のネットワーク化や大量に取得される波形データの処理法および異なる発生要因や波形特徴量を持つAE波の正確な判別法を確立する必要がある.加えて,道管内での気泡発生機構を解明し,道管構造,植物生理およびAE特性との関連を相互に検討していく必要があると考えられる.

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© 2021 公益社団法人 農業農村工学会
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