農業水利施設の補修設計において,補修材料の耐久性を事前に照査することが重要な課題である.本研究では,劣化因子の遮断を目的として農業用水路に施工された有機系補修材料を対象として,経年調査で得られた変状の面積と,あらかじめ同種の補修材料で行った促進試験による変状の面積とを比較し,変状の面積が同程度となる年数と促進耐候性試験時間の相関を求めることにより,促進耐候性試験の促進倍率を推定した.その結果,暴露期間約8年の表面変状は,北北西に面した側壁気中部では促進耐候性試験時間約1,500時間に,南南東に面した側壁気中部では,促進耐候性試験時間約2,000時間に相当した.本調査地区では,暴露期間と促進耐候性試験時間がほぼ線形で近似できた.