わが国において農業施設内で農業集落排水を利用するためには,排水処理方法や処理水の施用による土壌環境への影響を明らかにする必要がある.本研究では,対象とした農業集落排水処理水の水質変動を評価するとともに,病原性微生物の除去のための追加処理の効果を検証した.さらに,処理水を用いた農業施設内での栽培試験や土壌カラム試験を実施した.その結果,生食用の野菜の栽培に処理水を用いる場合,高めの残留塩素濃度の確保,UV処理や膜処理等を行うことが望ましいことを示した.また,処理水の施用による土壌環境への短期的な影響は確認できなかったが,長期連用を行う際には,塩類集積や土壌有機物組成が変化することが示唆された.