集排汚泥の混合割合を重量比50%とし,生ごみと,C/N比が36.1と比較的高い食品廃棄物であるすだちの搾りかすの割合を変化させた6条件で混合メタン発酵試験を行い,すだち搾りかすの混合割合が発酵の安定性に及ぼす影響を把握した.その結果,すだち搾りかすの混合割合が小さい場合にはメタン発酵は順調に進行したが,すだち搾りかすの混合割合が20%より大きい場合には,pHやバイオガス発生率の低下が見られ,発酵不良に陥った.発酵不良となった条件の原料に尿素を添加したところ,メタン発酵は順調に進行したことから,発酵不良の原因は窒素不足であることが明らかとなった.原料段階での尿素の添加(本研究では重量比で0.1%添加)は,発酵の安定性向上だけでなく,発酵残渣である消化液の窒素濃度上昇による消化液の肥料価値の向上や散布作業の効率化につながる.